<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?><rdf:RDF xml:lang="ja"
	xmlns="http://purl.org/rss/1.0/"
  xmlns:rdf="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#"
  xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
  xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
  xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/">

<channel rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/feed">
	<title>NOVEL - kuronote&#039;s</title>
	<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel</link>
	<description>文章置き場</description>
	<dc:language>ja</dc:language>
	<items>
		<rdf:Seq>
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry17.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry16.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry14.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry13.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry12.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry11.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry10.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry9.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry8.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry7.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry6.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry5.html" />
							<rdf:li rdf:resource="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry4.html" />
					</rdf:Seq>
	</items>
</channel>

	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry17.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry17.html</link>
		
				
		<title>look into the viewfinder-2</title>

		<description>☆the point of view ...

「今日やたら…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ☆the point of view ...

「今日やたらとあいつが目に入るんだよなぁ」

ロッカールームで着替えながら森山がぽつりと呟く。
海常高校バスケ部は部員の多さから、着替えは部室ではなく運動部全体で利用するロッカールームで行っているのだ。
部室は、備品や荷物置き場、そして部員達が時々昼休み時に話し相手を求めて集まる場所になっていた。

「あれ？森山もか？実は俺もなんだよ。普段は見かけても”あぁまた女子に囲まれてるな”程度だったんだけどな」
「んー？小堀も？…てか、朝からあいつのそんな状況見るなんて、俺はげんなりし過ぎて今日一日が不幸の連続になる」
「それは失礼だろ、森山」

苦笑しながら小堀が森山の言葉を制する。
そんな風に二人が談笑していると、日誌を提出を終えた笠松が部室に戻ってきた。

「お疲れー」
「おう」
「ありがとうな、笠松」
「気にすんな、俺も監督と話あったしな」

どさっと鞄を床に置き、笠松は自分のロッカーに手を伸ばす。
そう言えばさ、と森山は先程まで小堀と話していた内容を笠松に伝え始めた。
一緒に盛り上がろうと考えての行動だった。

「…って訳でさ。何か今日は妙にあいつが目に入るんだよ、なぁ？小堀」
「そうなんだよ。何か調子狂うよな、妙に練習中も気になったし」
「……それ、あいつが今日誕生日だからじゃねぇの？」

さらりと驚く情報を、当たり前のように口にした笠松を、森山も小堀も目を丸くして見つめてしまう。
二人の視線に疑問符を浮かべながら笠松が眉根に皺を寄せていると、森山が突然彼の肩を勢い良く掴んだ。

「え！？何笠松、お前あいつの誕生日知ってんの！？何で！どうして！意味わからん！！」

驚きを一切隠さないその表情に溜息をつきながら笠松はやはり何が可笑しいのか、と言わんばかりの表情で答えた。

「はぁ？何言ってんだ森山。入部届にあったろ」
「い、いや、あったけどっ。けどさ！」

入部届は、三年全員が必ず全員分目を通すことになっている。
その紙には、氏名だけではなく学年・クラス・そして生年月日が書かれていた。
クラスと言う情報は、何かを伝える際にその人物が学校内のどこに属しているかを知っていれば、そこにいなくても伝言が出来る。
だから覚えておく必要はあるが、その人物の生年月日までは必要としないだろう。
今年三年である、森山も小堀ももちろん全員分目を通した。
だが頭に残っているのは、名前とクラスだけだ。

「お前！黄瀬の誕生日なんて何に使うんだよ！」
「何言ってんだお前？意味わかんねぇぞ」

森山の質問に更に疑問符を浮かべた笠松は怪訝そうな表情を浮かべる。
彼の表情に納得がいかないのは森山の方だった。
だから更に言葉を重ねてしまう、しかも同じ内容で。

「だ・か・ら。黄瀬の誕生日なんて覚えていて、お前に何か得はあるのかよ、って事だっ」
「得なんてある訳ねぇだろ」

あっさりバッサリと切り捨てる様に笠松は答えた。
まともな回答が来ると期待してはいなかったが、想定していたラインよりも下を行く内容だった為、森山はこれ以上突っ込む事が出来なくなってしまった。
戦意喪失で真っ白に燃え尽きた森山に小堀は小さくご愁傷様、と呟く。
きっと笠松がいなくなったら自分に対して愚痴に似た言葉を渡してくると分かっている小堀は、心の準備と財布の中身に入っている金額を考えていた。

「お疲(れ)様っす！」「お疲れ様です！」

部室のドアが開いたと同時に大きな声が部屋に響く。
三人はすぐ声の主が誰だか分かった。
部だけでなく、学校でコイツの声を知らない奴はいない…そんなレベルの男だ。
そして隣にいるのは「腐れ縁」で何時も振り回されているように見える同学年の男だ。

「お疲れ、早川に中村」

笠松の声掛けに二人は背筋を伸ばし上級生である三人へ頭を下げる。

「片付け終わったのか？」
「はい。後は一年にチェックさせて、二年の残りは着替えている最中です」
「そうか、んじゃ、俺らも早くここ閉めねぇとな」
「笠松先輩、部室の鍵は俺らが返します。備品の数数えないといけないので」
「おう、そうか。わりぃ、じゃよろしくな」

そう言った笠松は、机の上にある鍵を中村の掌に置く。
確かに受け取った事を中村は鍵を握り締め、笠松の眼を見て小さく頷く事で示した。
すると突然二人の間に割って入る人間がいた。
早川である。

「そう言えば、今日黄瀬の誕生日なんすね！」
「お、おう、そうだ。…てか森山ぁ、早川でも知ってるぞ？」

一歩引きながらも笠松は早川の言葉を受け止める。
そして、黄瀬の誕生日を知っている事は普通の事だと言わんばかりの態度で森山に現状を告げた。

「えー！？嘘だろ！？おい早川何で知ってんだよ！笠松と一緒に俺を馬鹿にするのかぁ！？」
「馬鹿にしてないだろ、森山。それは笠松に失礼だろ、謝れよ…今謝っておかねぇと後が怖いぞ…」

彼なりの「ふざけた表現」に対して笠松は理解できないだろうと分かっている小堀が、森山の退路をしっかり準備した。
こういう場所でもチームの連携は忘れない。
勿論、火の粉が自分に飛んでくることを理解しているからこその対応でもある。

「はぁ？何時俺がお前の事馬鹿にしたよ？」
「俺が自分のクラスだけでなく、三年女子全員と二年女子の三分の二、一年女子の三分の一が言えるこの俺が、黄瀬の誕生日を知らないとか！てか、こう言う情報には興味を示さない笠松が、黄瀬だけの誕生日には興味を示しているとか！一体なんて事だよ！全くっ！」
「おいおい森山、なんか途中からおかしなことを口にしてないか？落ち着けって」
「こーぼーりぃー！何でお前は冷静でいられるんだよ！女子の前では身動き取れなくなるほどがっちがちになる笠松が、あの不遜な態度の黄瀬の誕生日を知ってるんだぞ！？コイツが事件でなくて何が事件って言うんだよ！」
「森山先輩、随分追いつめられているんですね。ご愁傷様です」
「はぁ？！中村、今お前なんつったー！俺は正論を口にしてるだけだぞー！」
「中村もそこで楽しむな。先輩を出口のない迷路に叩き込んでどうする…」

部室は人数が増えたから賑やかになったと言えば聞こえは良いが、その話の中心になっている人物の影は一切ない。
だが確実に黄瀬は「話題の中心」にいる。
これは何時もの事だった。
学校や部活の時間だけではなく、試合会場には何とかして黄瀬のプレイしている姿を見ようと他校の女子生徒も見に来ていたりする。
控えのロッカールームに入る手前の通路でサイン攻めにあったり、プレゼントを貰ったり、写真を撮らせて欲しいとねだられたり。
それをここにいる全員と海常バスケ部員たちは溜息をつきながら横切るのが、変わらない儀式のような光景になっている。
黄瀬ファンからすれば、試合そっちのけ。
とにかく黄瀬が動くのが、目の前にいるのが嬉しいと感情を爆発させ、予選で利用している体育館は黄色い歓声が響く事も多かった。
バスケ部員全員と監督は既に一言は相手チームから「嫌味」を渡されている。
怒っても仕方がないので無視をする事と主将である笠松からの命令で、皆それに従っている。

だが主将からの命令だから、と言うだけが理由ではなかった。
試合中の黄瀬はその才能を遺憾なく発揮している。
練習も真面目に出るようになり、チームに溶け込んでいるのをここにいる全員そして海常バスケ部員達は分かっていた。
「天才」と呼ばれていた中学生が高校生になり一年目。
その天才ぶりを発揮している夏の予選。
頼もしい存在である事を認識している。
ならばそんな彼を認め、支えて行くのが部員達全員がする事なのだと、皆それぞれが理解していた。
だが、流石に「誕生日を知っている者」は絶対少ないと森山は考えていた。
学校の試験結果によって「試合への出場が危ぶまれる可能性」を一番発揮してしまう、あの早川が知っていた、と言う事が森山にとっての衝撃だった。
黄瀬の誕生日を知っていた笠松に、腹立たしさを覚えた訳ではないのである。
ただ小堀の口にした表現をそのまま使えば「迷路に迷い込んだ」状態なのだ。

制服の襟をつかんで早川に涙声で質問を森山は投げ掛けた。

「はーやーかーわー！お前なんで知ってんだよ！」
「はいっ！さっき部室の前で聞いてた(ら)、主将が言ってたので！」

びりびりと部室の空気を早川のデカい声が振動させる。
狭い部屋で聞くにはつらい音量だった為、声の主以外は耳鳴りがしていた。
内容は何となく頭に入ったが、理解は出来ていない。

「えっと…早川」
「はい！なんすか主将！！」
「今なんて言ったんだ？どうして黄瀬の誕生日を知っているのかって言う答え…」
「え？だって、主将が言ってたじゃないすか！！」

早川以外全員が凍りつく。
隣にいただろう中村は三年三人よりも胃が痛んだ。
先程聞いた答えを一つ一つ結びつけて答えを導き出した小堀は、ゆっくりと尋ねる事にした。

「つまり、お前は…部室のドアの前で俺達の会話を聞いてた、って事…だな？」
「はい！」

元気よく返事をする彼の姿に全員が呆れてしまった。
つまり先程の笠松らの会話中、早川は部室のドアの前にいて、入るタイミングをうかがっていた訳だ。
しかも、普通にしゃべっていた声が聞こえたと言う事は、防音設備のない部室である事を差し引いても、相当彼の耳が良い事を証明している。
部室の空気は一瞬にして冷えてしまう。
そんな中、唖然とした表情で森山が口を開いた。

「地獄耳だな、あいつは…」
「そうですね。早川の前では隠し事なかなか出来ませんから。話す内容、注意した方がいいですよ、森山先輩」
「俺もそうすることにするよ、中村…」

同じ学年で苦労しているだろう中村のアドバイスを森山と小堀は今後の自分達の身の安全の為に、頭と心に焼き付けた。
早川は三人の表情を見て、不思議そうな顔をし、即中村に「一体何がどうしたんだ！？」と大声で尋ね始めた。
そのまま四人はワァワァと言い合いを開始してしまう。

「たく…」

笠松はを彼らを双眸に写しながら軽く溜息をついてしまう、又始まったと。
そして感慨にふける。
あの四月の入部時からは想像も出来なかった、したいとは思ったがこんなに早くなるとは思わなかった状況に今なっていると。
黄瀬は海常バスケ部にしっかり溶け込んだ、と。

(歳重ねた分、しっかり成長しろよ。おちゃらけてる場合じゃねぇぞ…黄瀬)

心の中で呟くと、笠松の脳裏には練習時の黄瀬の姿が脳裏に浮かんだ。
差し込んだ夕日に照らされ金色に輝く細い光の線が、自分と他の部員達も繋ぎ。
最後の夏への切符を手にする為の、中心的な存在になる。

(あいつを活かす為の俺らじゃねぇとな)

笠松の両方の拳にぐっと力が入る。

まだ梅雨の時期は終わっていない。
だがもうすぐ夏が来る。
笠松ら三年にとっては最後且つリベンジを誓う夏。
早川ら二年にとっては自分達の一年分の成長と昨年以上の成績を残すための夏。
そして黄瀬ら一年にとっては、新しい世界での、今年と言うたった一度きり、最初で最後の夏が、やってくる。

-------

ひとつ前の話の最後の部分。
一万時の壁に阻まれたため、分割。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-07-12T02:30:41+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry16.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry16.html</link>
		
				
		<title>look into the viewfinder‏</title>

		<description>☆the point of view , Kobori

「お前は…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ☆the point of view , Kobori

「お前は目立つ」とずっと言われてきた。
親族の近い歳連中と並ぶと常に視覚的に一番目立つ。
保育園から中学校までも並ぶと一番後ろが定位置。
高校に上がったら俺よりも少し高い存在はいたが、それでもやはり「目立つ」。
人ごみ似るとすぐわかる。
頭が一つ、下手すると約二つ場合もある。
入学当初俺の背の高さを見て、初めて会う人々から「ビルみたいだ」と揶揄されたりもした。

(何て何考えてるんだが…)

身長の事は別に気にしていない。
ずっと「お前は良い目印だ」と言われ続け、親からも「迷子になってもすぐ分かるからうれしい」何てよくよく考えたら傷つくだろ？と思うようなこともさらり言われていたから問題ない。
高い事で困る事は、天井が低く感じたり、平均身長からドアなどの高さは決められているのだろうから、俺が気を付ければいい。

(俺はイレギュラー、って事だな)

三年もすれば俺の存在は「普通」になった。
入ってくる新入生は最初は驚くがあっという間に慣れて、六月になればもう当たり前になる。
一年のころから二センチ伸びたと言ってもそうそう伝わる訳がない、微々たるものだ。

目の前の景色が、少し派手になった。
音も含めての話だ。
今年に入ってからの「今までなかった光景」が俺の眼前で展開されている。

(よくもまぁ、毎日飽きないな)

深い意味はなく、本当にそう思うのだ。
とあるちょっとした「有名人」が今年入学してきた。
俺の親族でさも知っていて、「サインをもらってきて」とねだられた。
有名人と一緒の学校とか羨ましい、と理解できない言葉を言われたがほぼ毎日夕方には顔を合わせているから慣れてしまった。
腕時計を見ると、朝会開始の予鈴まで五分だ、これマズイ。
朝練のない日は少しだけ感覚が鈍る。
急がないといけない。
俺は歩く速度を上げ歩幅を広げ、教室へ向かう。

(まったく、遅刻するぞ)

心の中で注意して、俺は彼の横をすり抜けた。
微かに周囲とは違う空気を感じる。
透明なのにキラキラと光り輝く様な印象に一寸だけ悔しさを感じる。
今日は一年の練習を少しきつめにしようか、何て意地悪な事も考えてしまう。
金色の髪の、俺よりほんの少し背の低い生意気な後輩は先輩の俺に気が付くことなく、周囲に群がる女生徒達に愛想を振りまき続けていた。

☆the point of view , Nakamura & Hayakawa

三限目迄のちょっとした時間。
俺は次の授業の為に廊下を歩いていた。

「ん？」

前方からやらたと騒がしい声が聞こえた。
この声と言葉遣いには聞き覚えがある。
声は確実に俺の方へ近づいて行く。
姿を確認すると、長身の男子生徒が隣を並走する男子生徒とワーワー言い合いしながら俺の横を通り過ぎて行く。
全く俺に気付かずに、だ。

瞬間的に、空気の線が見えた。
同時にその場に何かを残して行く、風を切って走るを体現していた…変人の称号を与えたい男。
後ろ姿を見送りながら、俺は溜息をつく。

「別に、気にしてねぇけど」

体育会系は「挨拶」ってやつを大事にする、後は上下関係。
女ばっかりいる、なんだっけ…あの役者を育てる学校。
あそこは角を直角に曲がるだとか先輩とすれ違う時は挨拶が当たり前とか、だっけか？
そんな事をするのが日常だと言うのに、先ほどほぼ全力疾走で「走ってはいけない廊下」を段ボールを抱えながら走って行くあいつは、何と言うか…後で〆る、こんな感じか。

(それにしても…)

あいつ同性とも仲良くやってるのか、何て事を思ってしまった。
部活中もだが、あいつの周りは女ばっかりと言う印象が多い。
そりゃ部自体は男所帯だから「女に囲まれる事」はないんだが。

同じ一年と話すようになったのは、入部して直ぐに合った練習試合の後。
二年や三年と言った上級生に話しかける、言う事を文句を言いながらも聞くようになったのもその練習試合の後。
部活に休まず出るようになったのも…。

「全部、そうか」
「何がそうか、だ？」

ポツリ呟いた俺の独り言に「声がでかい」だけが取り柄のアイツが質問を乗せてきた。

「うわっ、んだよ！早川っ、吃驚させんな」
「いでっ。わ、わ(り)ぃ。だって何度呼んでも返事しなかったか(ら)」

早川の顎が俺の肩に乗せられしかもその声が耳元でガンガン響いたため驚き、反射的に持っていた教科書でその額を叩いていた。
手で少し赤くはれた場所を触りながら早川は俺に謝罪し、声を掛けた理由を口にした。

「…だから、んだよ」

俺はどうやら一年のあいつの後ろ姿を見た時、足を止めていたようだ。
早川に声を掛けられ風景が動いていない事を知った。

「もうすぐ授業だぞ？大丈夫か？」
「…そう、だな」

時間的にまずい。
俺達は歩みを進める。
次の授業は二クラス合同の授業だ。
クラスの違う俺達が同じ方向へ向かっているのは当然。

「そう言えば、すっげー勢いで走っていったな！あ(れ)もト(レ)ーニングの一つか？」
「…誰がだよ」

何となく答えが分かっていたが、質問した。

「あいつだよあいつ！」
「あいつじゃ分からん」
「えー！お前、先輩なのに冷たいな。未だ一年の名前覚えてないのか？」

俺が何故「分からん」と答えたかも考えず、言葉だけを受け取って小馬鹿にしたような口調で咎める早川に苛立ちを覚え、再び教科書で額を叩いた。
先程よりも力を込めて。

「いだい。…何すんだよ！」
「お前がアホだからだ」
「馬鹿って言う方が馬鹿だって教わ(ら)なかったのか、中む(ら)！」
「俺は、アホって言ったんだよ。馬鹿なんてお前が自分で言っただけだろ、だからお前が馬鹿だ」
「えー！ひでぇぞ！！」

その早川の声を打ち消すように、俺達の耳に三時限目開始のチャイムが聞こえた。
俺達は顔を見合ってから、全速力で教室に向かう。

(何なんだよ、今日はっ！)

普段はこんな事ない。
何時もと同じ時間に出たし。
早川と廊下でばったり会うと「次の授業は一緒に座(ろ)う！」とかお前は女子かっ、と突っ込みたくなるような言葉を言われるので、捕まらないように向かっていたと言うのに。
教師が何時もより三十秒遅く到着している事を願いながら俺達は走った。

あいつが走っただろう廊下の一部には、あいつのまき散らした香りとその存在感があって。
去年とは違う梅雨入りした六月の空気が俺の肌に触れ、そして肺に流れ込んできていた。

☆the point of view , Moriyama
廊下を歩きながら俺は一つ伸びをする、同時に口からあくびが漏れた。
授業が、つまらん。
早く放課後にならないだろうか。

(思い切り、バスケしてぇなぁ)

学生の本分はウンタラカンタラ…学校も家も一寸煩い。
将来の事？考えてるっての、いい加減子供扱いも大概にしろっての。

大学進学か、就職か。
個人的にはまだ働きたくない。
もう少しバスケと向き合いしたし、正直未だ将来にやりたい事とか見つかってねぇし。
ここは無難に大学進学だよな、と思いながら一週間後に迫った進路希望の用紙の空欄に思いを馳せる。

(バスケの事なら山ほど書けるんだけどなぁ)

それ以外の事は今はちょっと無理だ。
もう予選は始まってる。

(今年の夏こそ、最後の夏こそっ)

何時の間にか俺はぐっと握り拳を作っていた。

「はぁ…何やってんだ俺」

平日の真昼間から、熱くなってどうする。
今このべたべたした空気が今ので余計に重苦しく感じるわ！

先程握っていた拳とは逆の手には本日の昼食。
昼休み開始を告げるチャイム。
まだ続いた授業、完全に出遅れた状態だったのに、購買部には何時もはなくなってる焼きそばパンとカツサンドがあった。
超ラッキーな日だと思った。

(今日は何事もスムーズにいきそうな気が…ん？)

心が浮き立って足取りも軽く歩いていると、遠くに見た事のある金色が見えた。
長身…なのは俺や俺達の中だったら当たり前だが、周囲に平均があると分かりやすい。

(纏ってるオーラも違う、てか？芸能人様は)

空から光が注いでいるのに、スポットライトはあいつに当たっているだけの様に見える光景がほんの少し悔しかった。

「あれ？」

俺は違和感を覚える。
何時もとは違う光景のような気がする。
理由は分からない、でも何だか「違う」のだ。

視界に映る光り照らされる金色を目で追いながら、俺は何時の間にか廊下で買ってきた昼食を口にしていた。

(そういや…あいつ何か、変わったな)

先週のトーナメントの時もそうだったが、上手く言えないけど、違った。

(まぁ、その前からか)

街で走るあいつを見かけた。
一瞬違う違うやつかと思った。

(我が目を疑ったしな、あん時は)

あの何時もヘラヘラチャラチャラしているような奴があんな真面目な顔して走ってる。
隣には小堀何て言うパッと見たら分かるだろう巨大な奴がいたのに。

(しかも俺ら先輩、先輩だよ、たく…)

苦笑してはたと気が付く。
あいつの周りには、今人はいない。
独りで木陰に入って本を読み、そしてイヤホンをしている。

(そうか)

何時も誰かに囲まれて、構って貰っているのにたった独りで何かに没頭している。
そんな姿を学校内で見るのが「初めて」なのだ。
街で見た独りで走り俺達の横を通り過ぎた時の横顔に似ているのだと、思った。
これか違和感は…と気が付く。

時間が遅れたら手に入らないパンたちはもう俺の腹の中にある。
そして今までと違う光景は、ゆっくりと胸の奥に落ちていった。

☆the point of view , Kasamatsu

部室を出て教室での忘れ物に気が付き、俺は校門前で森山達と別れた。

「待っていようか？笠松」
「いや、いい。明日の朝練何時もより十五分早く始まるからな、早めに帰れよ」
「最近不審者が出てるらしいぞ、笠松」
「大丈夫。襲ってきたらお前だと思うから」
「酷いぞ～！横暴だな、主将様は～！」
「まぁまぁ森山。笠松…こう言う時は面白い事言わなくていいから」

余計に俺達ここで待つぞ、と小堀が笑う。
こんな感じの、何時もと変わらない「じゃれあい」のような会話をしてから、あいつらを見送る。

教室で忘れ物を無事確保し、俺は校舎を出る。
明日は雨だとか言っていたな…と思い出す。
今日は晴れていたのに、夜空は黒色に白く薄いベールが途切れ途切れ見える。
空を見上げていると、ふと頭をよぎったものがあった。
風に流れてチラチラと俺を照らす光に似た存在。
足は自然とバスケ部専用の体育へと向かう。

(多分、いやきっと)

消えている筈の体育館からは光が漏れていた。
想像通りだった。
少し前に一年から報告を受けていた。
体育館を片付け帰ろうとしたら、体育館の方からボールの音を聞いた…と
その時は「誰が体育館に残っているか」分からなかった。
一週間前、疲労回復の為に通常よりも部活が早めに終わった時だった。
報告の事が気になり、帰り際体育館を覗いてみた。
すると、そこにはあの黄瀬がいた。

部活で行っている基礎。
今日部活でやったフォーメーション。
それらをたった独りで、黙々と復習している黄瀬の姿があった。
確認しながら、丁寧に仕上げていく。

その作業の中にちらりとどこかで見た事がある動きがあった。

(…あれは…)

小堀だ。
相手のプレイスタイルを模倣するのが得意な黄瀬。
だが、俺達の前では絶対に俺達の模倣は見せていない。
それは同じバスケ部員の俺達に対する心遣いか何かなのだろうか。

「…何か、ちょっと違う」

広く天井の高い体育館で、黄瀬の甘い声が響いた。
そんなに大きな声を出していない筈なのに、なぜか俺の耳に届いた。
突然の出来事に驚きを感じてしまう。
これだけで黄瀬の独り言は終わる訳ではなかった。

「もうちょっと癖が分かった方が予測とか楽…かも」

もう一度とボールを手に取り、黄瀬は小堀が今日の締めのミニゲームで見せていた動きを体現していく。

思えばあいつは「キセキ」何て呼ばれた連中の中でプレイしていたんだ。
俺達に関して言えば、普通に毛が生えたようなもんか…と思う。
自分達を卑下している訳ではなく、単純にそう思っている。

あいつらの試合を見た事も勿論あるし、何より今その一欠けらであり黄瀬が俺達の目の前でプレイするのだ。
四月の練習試合で幻のシックスマンとか言われた奴ともやりあったしな。
確かに次元が違うと言えば、悔しいが違う。
言われなくとも、感じたくなくともその差ははっきりしている。

その日の黄瀬はレギュラー且つ対戦チームにいた小堀と早川の動きをほぼ完ぺきに模倣していた。

俺は帰り道、黄瀬の行動について考えていた。
黄瀬はあの時確かに「予測」と言っていた。
動きを模倣する事で、試合の際にチームメイトがどんな動きをするかをシミュレーションしていたのかもしれない、頭の中で。

(随分四月のあの日から変わったな)

あの時が嘘のようにも感じてしまう。
黄瀬の考えが何となく見えた俺はつい苦笑してしまった。
そんなに「悔しかった」のかと。

逢って二ヶ月足らずの人間達の動きを模倣し、そこから二年達の積み上げた一年を俺達三年の積み上げた二年分を全て体で理解しようとしていた。

(あいつの事を助っ人とか言った奴がいたけど。違う、あいつは…)

----海常のエースになる。
一年にその看板を背負われちまうのも何とも表現し難い気分なんだが、俺がエースになれる存在じゃねぇ事は分かってる。
適材適所。
海常の今のメンバー、補欠、そしてその席を狙う部員達。
それぞれが自分の出来る事を、その場所で精一杯行い、部を盛り立て支えている。
あいつなりに「海常」の事を考え、今自分に出来る事をやり始めた。

(いい傾向じゃねぇか)

最初の内にしっかりと伝えて良かった。
小堀からは「お前のやり方は間違えてないと思うけれど、程々にな」と苦笑いされたな。
でも見てみろ、正解じゃねぇかよ。
勿論、これで凹んだでそのレベルだとは思う。
何となくだが、あいつの眼を見た時、「噛みついてくる」と思った。

あいつの眼は「負けず嫌い」の色が色濃く見えていた。
そこをつつくのは絶対に必要だと思う。

「自分の直感は信じるもんだな」

と俺は胸にある言葉を口にした。
自分の部屋で次の日のメニューを確認しながら、黄瀬の「向かうべき道」、その方向を考えながら。

そして今俺の目の前では、黄瀬は練習をし続けている。
この前の試合で大分分かったろうに…と思うが、そう言えば練習試合の後に「黒子っちや火神っちとインターハイで逢うって約束してきたっス」と笑顔で言ってきたな。
それが今のあいつのモチベーションの一つなのだろう、と思った。

(だが、クールダウンも必要なんだよな)

優秀な選手は「その配分」も分かっている。
重要な時に自分の能力がしっかりと使えないのは、それはやはり「優秀ではない証でもある」と俺は考えていた。

あいつのやる気を削ぐ訳じゃねぇし、今日がどういう日か知っているから「テンションが上がっている」その理由も理解はしている。
でも「駄目なものは駄目」だ。

(お前は俺にとって、俺らにとっていなくなられたら困る存在なんだよ)

言葉には決してしない。
利害関係で黄瀬を求めている訳でもない。
ただ予選を通して「黄瀬と一緒にインターハイに出たい」と言う気持ちは強くなった。
だから、俺の「欲の為」に今日の所はあいつをシバく事にする。

(折角の日にわりぃな、黄瀬)

体育館のドアに近づき、その光の中のでも金色に輝く地上の星に対して俺はきつめの声を掛けた。

「おい黄瀬ぇっ！今日はしっかり休めって言われてんだろがっ！」

俺の怒鳴り声に、肩を上下させゆっくり俺の方を見る。

(…ほらな、やっぱり)

幾ら俺達とプレイする事を望んでいるとは言え、コイツの本質は変わらない。
「今日と言う日」を迎えても、まだまだ子供だ。
黄瀬がこちらに見せた表情は、子供が「悪い事をしていると言うのを自覚しながらも、自分は悪くない」と言い張る寸前のものだった。

-------

…っていう6/18文章。
ワイワイただ楽しい、なんも考えない文章って難しいなと思う今日この頃。
友人から「お前の文章は”重い”」と言われている日々。
…仕方がない、もうこんなのしか書けないよ。
これが「自分の中である種作り上げてしまった文章」だと受け止める。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-07-12T02:25:58+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry14.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry14.html</link>
		
				
		<title>右と左</title>

		<description>逆転させると地雷と言う事を色々と勉強中…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 逆転させると地雷と言う事を色々と勉強中。
難しいな、と思う今日この頃(この部分に関しては)。
個人的には全然気にしていなかったので、それはいかん！…何だろうなと。
(未だにそのラインが決まってないと言うかなんというか。)

ただ、右側が「くれ」的な発言をさせない様にはし始めてはいます。
(だってそっちだと左だ！と怒られるので。
違うんだけどなー、と思いつつも読んだ人が正義だと思う部分もあるので。)
 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-06-06T14:43:23+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry13.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry13.html</link>
		
				
		<title>asphodel01</title>

		<description>※オリジナル設定が沢山入っている吸血鬼パ…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ※オリジナル設定が沢山入っている吸血鬼パロ(黄笠ver.)の冒頭です。※
-------
小さい範囲しか照らさない洋灯の下で、男が難しい顔をしながら紙と睨めっこをしている。
右手にはペン、左手には電卓。
一つ溜め息をついてから再度電卓を打ち始めた。
指で紙の上の数字を一つ一つ足して行く。

「…何度計算しても、同じか…」

男は出た結果を見て眉根に皺を寄せる。
そして又溜息。
今度は先程のよりも大きい。

「今月は随分と節約したつもりだったんだが…何とか仕事を増やすしかないか…」

どうやら生活費の計算をしていた様子である。
ブツブツと次の作戦を考えながら、来月移行の事を考えているようだ。

「節約と言ってもなぁ…」

腕を組み天井を見上げながら男は考える。
仕事が増えないかもしれない場合は、やはりどうやっても光熱費と食費を減らす事が重要になってくる。

「山菜と魚、か…嫌いじゃないが、緑ばっかりになるのはどうもな…」

女性だったらヘルシーだと喜ぶのかもしれない。
だが、男からすればもう少し油の強い動物性の…精の付くものを食べたい。

(そう言うモン喰わねぇと、逆にキツイ時もあるしな)

最近街には不況の嵐が吹いている。
街の財政もかなりひっ迫している様で、少しでも資産があるものは外へ逃げ出し始めていた。
外部ともっと関係が密になれば良いのだろうが、それが中々叶わない事情をこの街は抱えている。

この街の住人は全て、吸血行為を行う血鬼族とその一族に血を与える授血族の二つの種族で構成されていた。
彼らは自分達以外の種族とはコミュニティを構成しないし、関係も密には取らない。
この二つの種族以外との接触は禁忌。

世界中にこの街の様な血鬼族と授血族のコミュニティはあちこちに点在している。
この世界には「地図」という概念がなく何処か遠くへ旅に出る場合は「出たとこ勝負」になってしまう。
だが、全く知識がない訳ではない。
時々外部からどちらかの一族の旅人がやって来て、ここから東に何があった、ここから南に何があった…と言う話を聞いて世界を知る。
それらの知識が街の図書館に蓄えられ、街を出る者はそれを頼りに移動する。
どんなに街の経済状態が悪化しても、簡単に外部に救って貰う事が出来ないのはこんな事に理由があった。
自分達も、相手も「知らない状態」なのである。
場所も漠然としている上に赤の他人を、例え同じ種族で構成されたコミュニティであっても「助ける」と言う事は考えられる訳がなかった。


さて生活費に悩むこの男は、依頼のあった先で料理を作る料理人である。
材料・包丁以外の道具・光熱費は全て依頼者持ち。
だから実際かかるのは、自分がその場所へ移動する為の交通費と心遣いレベル。
彼はそんなに高い値段で仕事をやっていた訳ではなく、寧ろ「良心的」過ぎる値段で周囲が驚く事が多い。
それ以外にも身体を動かすのが得意なので、時々子供達に鉄製の輪の中に球を入れる、もう知っている人も少ない球技を教える事もしているが、それは本当にほぼ「無償」だ。

(料理は、別に職業にする為に覚えたんじゃねぇんだけど)

彼からすれば、今の自分が就いている職業には少し不満があった。
料理は「生きる為」に覚えた技術である。
別にその職に付きたくて手に入れた技術ではない。
今ほぼ無償で教えている事を仕事にしたい、と数年前まで本気で考えていた。
だが両親が既に他界し、未だ成人して3年しか経過していない青二才の夢を大人たちはその夢の先を信じず、又受け入れてくれなかった。
「知っている人が少ない球技」へ情熱を注ぐのはナンセンスだと笑ったのだ。

彼は今年18だ。
この街では15で成人扱いとなる。
住人の平均年齢が45前後と低い為、成人扱いの年齢が下げられた。
勿論稀に70歳近い高齢の者もいるが、本当に稀である。

成人した者は、親からの援助は基本して貰えなくなる。
病弱や身体的に無理な場合のみ公共機関・親からの手助けはあるが、「15になったら家を出て、自分一人の力で生活する事」と言うのが住人達の考えであった。
彼自身は成人前に既に「独りで生きる事」になってしまった為、その事への苦はないが「頼れる相手がいない」と言うのは生活困窮時にかなり大変な事になるのだ。
ここ2、3ヶ月で骨身に染みた。
飢え死にはしないとは思うが…別の事が気懸りだった。

(他人に迷惑をかけるのだけは避けねぇと)

ぐっと腕に力を入れ不安に思っている部分を打ち消すように頭を左右に振り、前向きに来月からの事を考える事にした。
計算も終わり、机の上を片付けていると電話が鳴った。
机に置いていた洋灯の上部にある取ってに指を掛けて、電話のある棚へ向かう。
切れる寸前に何とか出られた。

「はいカサマツです」
「おー、元気かー、カサマツー！俺と逢えなくてさびしくないかー？」
「大丈夫だ、寂しくない。それにモリヤマ、一昨日逢ったろ」

げんなりしながらカサマツは事実を告げる。
もう直ぐ夜10時になると言うのに元気すぎる声を電話口から響かせる男の名前はモリヤマ・ヨシタカ。
街の西側にある靴屋の工房で働いている、カサマツと同じ歳の男だ。

「なんだよーつめたいなー。街外れに住んでるお前にラブコールしてやってるんだろ？少し位は有りがたく思え」
「それが仕事の話か、あの球技の練習の話なら喜んで聞いてやるよ」
「たく、色気ねぇな」
「お互い様だろ」

電話が乗っている棚を指で突き、笑いながらカサマツは切り返した。
俺はそんな事ねぇ！とモリヤマは噛みつく。
その言葉は事実で、モリヤマに色気がない訳ではない。
昨年から付き合っていた女性との婚約を今春した。
今秋に結婚式を挙げる予定だと言う。

「冗談だよ、冗談。で、何だ？」
「あぁ。お前がさっき言っていた"喜んで聞く"話だよ」
「…本当か？」
「親友に嘘ついてどうする」

恩に着る、とカサマツは安堵の溜息と共に深い感謝をモリヤマに告げた。
今月何とかこれで1日1食以下、と言う事は避けられそうだ。
電話で告げられた内容を確り頭で覚えて、切ったら即覚えている内容を紙の上に書き落した。
数字、名称は絶対に忘れてはいけない、間違えてもいけない。
後、住所もだ。

カママツは急いで商売道具の確認と、球技用の道具の準備をする。
後者は、寂れている場所とは言え「球技を行う為の場所」はあった。
それこそモリヤマの仕事場である工房の近くにだ。

(帰りは御礼にアイツの仕事場寄って何か作ってやるか)

そう心の中で呟き、「仕事モード」へ気持ちを切り替えベッドへと急いだ。

******

街の東側にある中堅輸入雑貨会社の独り息子の誕生会出席者は100名程だった。
モリヤマが言っていた話とは少し違って、自分以外にも料理人が10人程いた。

(情報が違うじゃねぇか)

と頭が痛い状態だったが、気持ちを切り替えて仕事に向かう。

この街では、調理する食べ物で商売をする店は殆どない。
あるとすれば、宿泊施設・病院を含む医療関係の施設・学校位だ。
材料となる生鮮食品を扱う店は勿論あるが、そこで「調理されて提供される」と言う事はない。
料理人がその場所に自分の商売道具を持って行き、依頼された場所で作ってそれを依頼主達が食べる、と言ったものだ。

包丁と有る程度の料理の腕があり、役所に申請すればほぼ100％即日で認められるので、街の中で最も職業人口が多い。
なので、カサマツのライバルは山ほどいると言う訳だ。

当日その場で担当する料理と材料を渡されて調理を行う。
参加人数に面食ったが、さほど難しい料理ではなかった為、頼まれた時間内に素早く作り終える。
調理した者を並べているとカサマツを知る者が参加者におり、

「いやぁ、カサマツ君」
「どうもお久しぶりです」

と小太りの男に声を掛けられた。

「この前の夕食会の時はありがとう」
「いえ、お声をおかけいただき、ありがとうございました」
「妻が君の料理を気に入ってね。是非又お願いしたいと言っていたよ。で、あの時の料理はどうやって作るんだね。今度、レシピ本を書いて来てくれないかな」
「分かりました。書いて持って行きます」
「あぁ、勿論金は払うよ。君らの技術への報酬は必要だからね」
「…ありがとうございます」

深々とカサマツは頭を下げる。
小太りの男は満足気に大笑いをし、その場を去った。

カサマツら料理人の職業は、料理をするだけではない。
研究をする、そしてカサマツのように「自分の料理のレシピ」を他人に伝えると言う仕事でも報酬を得ている。
全てに値段の決まりがある訳ではなく、全て料理人の裁量によって値段が決められている。
カサマツの場合、紙代とインク代、製本の為に必要な材料費…と言った最低限しか受け取っていなかった。
この事を知っている、今日の仕事を振ったモリヤマやカサマツを幼い頃から知る人間は、「アイツらしいが、もっと商売っ気出せ」と頭を痛めている。
生活が困窮する理由は、彼の「真面目すぎる性格」のせいでもあると彼らは考えていた。

料理人達は、その場が終わる迄調理場で待機する事になる。
その間に片付けをする事が勿論その理由でもあるのだが、給金の支払いが仕事終了後即行われるからだ。
値段はそれぞれが申告しているが、主に味の部分での客の評判が悪ければその金額を減らされる事がある。
難癖を付けて減らされる何て事もカサマツは経験済みだから、満額貰えるなんて思ってもいない。
料理を並べていた時に声をかけて来た小太りの男も、三割程減らされた。

(まぁ、あの家は余った材料持って帰って良いって言ったから助かったけどな)

三割分の現物支給、と思えば良い。
現在生活に困窮しているとは言え、「打てない手はない」「ピンチは何とかなる」と大抵の事をそう考えているカサマツは意外とポジティブな思考回路の持ち主でもあった。

会が終わると、清掃関連の職人が部屋に入って仕事をし始めた。
料理人がするのは、料理以外だと使ったモノの片付け位で、食べ終えた皿等はこの清掃関連の職人が行う。
片付けが続けられている部屋に今日の料理人全員が呼び出された。
依頼人である会社の会長が偉そうに踏ん反り返り、あれこれ文句を付けながら本日の料理の総括を行っている。

(早く終われよ、馬鹿野郎)

壁にかかっている時計を見たら、かなり良い時間だと言う事をカサマツは確認している。
次の…「仕事」の約束までにこのままだと間に合わない。
終わらなければ給金は出ず生活には困る、だがもう一つの方に間に合わない方が現時点のカサマツからすれば大問題だ。

部屋の掃除が急ピッチで進められている為か、周囲が静かになり出した事に喋り倒していた会長が気付いた。
コホン、と自分なりの合図を入れて、料理人の名前を呼び給金の手渡しを始める。
一番最後に呼ばれたのはカサマツだった。

「ご苦労だったね、報酬だ」
「ありがとうございます」

頭を下げ、差し出された水色の封筒を受け取る。
そこには名前が乱雑な文字で書かれている。

「"家庭料理"な味付けに私は少々不満だったが、皆舌が高級品に慣れているからね。好評だったよ、庶民の味もたまには良いモノだな」
「ありがとうございます。それでは失礼いたします」

味についての嫌味の籠った感想にも動じる事無く、カサマツは目の前の人間に感謝の言葉を告げて一歩下がり又頭を下げた。
部屋を出ると即荷物置き場へ向かう。
出る際に見た時計からは、完璧に遅刻だと伝えられた。
1分でも1秒でも早く、と封筒の中身は一切確認せずに鞄に突っ込み、次の「仕事場」へ急いだ。


腕時計をチラチラ確認しながら、モリヤマは落ち着かない雰囲気でか並みの向こうを見ていた。

「モリヤマ本当に来るのか？」

半ば諦めた様な、もう信じられないと言った様な表情で問いかけ来る。
大丈夫大丈夫、とモリヤマは笑顔で返すが、皆溜息交じりだ。
その場には八人ほど人が集まっている。
全員男性だ。
モリヤマと同じ職人系も2名ほどいたが他は役所、教師と言った比較的裕福な職業に就いている者ばかりである。

既に約束の時間から40分以上経過していた。
モリヤマの熱心な誘いで集められた彼らは、これからやる事に別段強い興味がある訳ではない。
ただ、「懐かしいもの」と言う言葉が少し気になった人々だった。
お金に余裕ある者達は、「他人の知らない事」を知っていると言う事がステータスになる。
そこをくすぐったのだ。

(連絡取りたくても、アイツ携帯持ってねぇしっ！)

モリヤマの頭痛は酷くなる。
周囲を宥めながら早くカサマツが到着する事だけを、モリヤマは唯見えない「神様」とやらにお願いするしかなかった。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-04-23T22:49:07+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry12.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry12.html</link>
		
				
		<title>Instead of a goodbyeについて</title>

		<description>前回のelegyはどう転んでもBAD-EDなので、…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 前回のelegyはどう転んでもBAD-EDなので、んじゃほぼ同じラインで「HAPPY-ED」にするにはどうしたら良いか、を考えた結果で書いたものです。
私の文章を読んでくれる友人が「幸せな話が良い」と良く口にしていたので、私なりの「幸せな話」でした。
…まぁ一度分かれているから「本当の意味での幸せな話」かどうかは分かりませんが…。

後日談はpixivでUPするつもりなかったんですが（蛇足的だと思ったので）、何か笠＊先輩の話の関係上どうしてもタグを変更せざるを得なくなってそちらに統一したら。
32⇒16⇒17（1/14時点のウィークリー）とランクインしたみたいで。
( ﾟдﾟ) ｛ 何事！？　と言う状態でした。
メッセージではなくてコメントを下さった方もいたので、「読んで下さった方々への感謝」も含めて、蛇足に見える内容をpixivにUPしたりする結果となりました。

学生時代から付き合っている人と結婚した知人からその後の結婚生活の話を聞くと、何か…こう「それって学生時代の延長線上じゃね？」と思う事が多々だったので。
そんな風に思った事も土台になっています。
（だから、＊瀬には敢えて「ずっと“先輩”呼び」、＊松先輩には「ずっと黄瀬呼び」をさせていました。）

思えば、歌に「さよならーのかわーりにー」ってありますが。
あれじゃないです。
書いている最中は、全然違う楽曲が後日談である”endroll”では流れていました。

この作品から「評価不要」ってタグがある事を知り利用したんですが…ほぼスルーされる訳ですね。
使った方が「評価」って言うものが減ると思うのでこれからも使いますが…。
「不要」なタグの意味がない…… ｝ (ﾟДﾟ;) ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2013-01-15T11:58:38+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry11.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry11.html</link>
		
				
		<title>elegyその後</title>

		<description>黄＊視点は終了させて現在はその時の笠＊…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 黄＊視点は終了させて現在はその時の笠＊先輩の視点を書き進めていますが、
個人的にあまりにも趣味丸出しでどう考えても不味い方向になってきたので、
人口が多い場所での公開は避ける事にしました。
黄＊、笠＊先輩共に、作品の表現上引用した部分がありましたが削除して
<a href="http://novelist.jp/member.php?id=42543">こちら</a>に掲載中です。
火/黒も、こっちで書く事にしました。
ようは、「偏り過ぎる表現はこっちで展開」って言う処理です。

本については…イベントに受かってもいないのに作るつもりです（空気を読もう…＜汗）。
はじまり⇒起承転結、で5冊。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-10-16T10:17:03+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry10.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry10.html</link>
		
				
		<title>elegyについて（2）</title>

		<description>向こうで公開しているelegyは、一つのルー…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 向こうで公開しているelegyは、一つのルートに至るEDを終わらせました。
元々、elegyという言葉の意味を考えれば「幸せな話」にはならない気はして貰えていたと思っていたのですが…どうもそうではない事もあったようで…その辺は諦めを。

この話し自体がお菓子な状況なので、色々突っ込まれそうですが突っ込みはなしだと良いなと思いつつ。
今回の話上の鍵にしていた「香り」についてです。　
＊松先輩が付けていたオーデコロンは、「＊瀬が学生時代に付けていたもの」です。
商品名までは知らないので、自分の覚えている匂いを頼りに探して付けていたので、＊瀬が「過去自分が付けていたものに似てる」とは気が付かなかった、と言う残念設定です。
この残念に関しては＊松先輩の視点の時に書く予定です…（何時になるかな、わからんね）。
そして付けて居た理由は、
「＊瀬の香りに慣れていれば、逢った時に変な行動に出ない筈」
と言う自制する為の装置でしかなかった、と言う感じです。
元々、この話の土台上、最初の時点で自制が利いていたのは＊瀬の方で、最初から危ない橋を渡っていたのは、＊松先輩の方でした。
最後で「オーデコロンは必要ない？」「そうだな＝必要ない＝お前が傍にいるから」って言う意味で言ったつもりですが「言わなきゃ分かんないよ！」と言う二人とも残念設定をねじ込んでました。
（会社の女子が「似た香りの香水」を付けていたのは、＊松先輩が「この香りが好きなのかも」と勘違いしたからです。…アプローチ失敗！つまりそーゆーことだろ。）

書き手は、こう言う相手を思い合っているのに「何で言わないかな！」って話が大好きです。
趣味丸出しでした。

＊瀬の計画の後、＊松先輩が「＊瀬に言おうとしていた事は？」ですが。
…物凄く普通ですが、実は＊松先輩は「告白(＝好きだ)」を言いに来ただけです。
行為を受け入れ続けている(EDで)理由は、絶望と言うよりも「＊瀬には何を言っても多分届かないだろうし、だったら自分も好きな＊瀬をつなぎとめられるならこの流れでも良い」と受け入れちゃっただけです。

お話上に出てきた、”　　　”このブランクでの表現は実はとある言葉がしっかり入るのですが、わざと入れていません。
どんな状況になっても「その時の人物はそれしか言えなかった」って言うだけなんですが…そう言ってもよく分からないな、と。

それにしてもこんだけ短い期間でドバット書いて一寸疲れました。
一人称、難しいです…。
（一緒に気持ちが動くから余計に。） ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-26T10:27:13+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry9.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry9.html</link>
		
				
		<title>elegy</title>

		<description>＊部分的に不味そうな所は伏字にしていま…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ＊部分的に不味そうな所は伏字にしています（人物名とか）。

「ただいま～、っと」

玄関の電気のスイッチを入れる。
少し埃っぽい。
靴を抜いでいそいそと窓へ近づき、開けた。
部屋に、冷たい空気が入り込んでくる。

「うぅ、さむっ」

窓から離れて、俺は帰りに購入してきたコンビニ弁当を食事用の机に置いた。
ここで食事をしたのは何時だっけ？と
冷蔵庫に近づいて開けてみると、電気が入っていない事が分かった。

「あーそう言えば…」

久々に今日は早めに部屋に戻れたんだった。
全く戻っていない訳じゃないが、今月は地方ロケも多くてマネージャーと一緒にビジネスホテルが多かった。
電気代ももったいないし、と抜いたんだっけ、かと。

溜め息を大仰について、ソファに腰を下ろす。
やっぱり少し埃っぽい。
寒いけれど、未だ窓は閉められない、そう思った。

雑巾を絞って、先程座ったソファを軽く拭く。
ついでに、机と床も。
本当は別々ので拭いた方が衛生的だけど、手間がかかると思ってそのまま続行した。
再びソファに座る。
軽く息が漏れた。
天井を見上げながらぼんやり考える。

独り暮らしは正解だと思った。
深夜に帰るそして軽く準備して直ぐ現場、そんな流れは一緒に住んでる家族に負担がかかる。
空いた時間でちょこちょこ会って食事をして近況を話せば安心する。
最近はテレビに出る回数も増えたし、それで生存確認が確認出来ている。

「俺、一応モデル…なんスけど」

テレビへの露出が増えたきっかけは、若手イケメンの運動能力のを見る…みたいな企画だった。
普通に調べてれば俺の経歴分かるでしょ？って感じだったが、現場が全く知らない状態でかなり驚いたのを覚えている。
そんな事も調べないのか？とも思ったし、調べる暇もなかったのか？とも思った。

事務所からは、「本気で行け」と言われたけれど、本気なんて出したら皆やる気なくしちゃうし、視聴者ドン引きだし。
その時、＊峰っちの事が過ったのは言うまでもなく。
張り合う相手がいない、って言う事の虚しさの大きさは計り知れない。
企画を説明して貰ってやる事を確認した時、俺から一つ事務所にお願いしたのは、

「バスケだけは勘弁して下さい、フリースローも含めて」

だった。
バスケは…あの人を思い出すから、今はやりたくない。
学生時代は部に所属していたから頻繁にやっていたけれど、学生ってカテゴリを卒業するとやる時間は、ぐんと減った。
今は時間がある時に人気の少ないストバスのコートでやるけれど、大抵独りきり。
その時もチラチラと過去が浮かんで息苦しくなる。

それに、バスケはどうしても「本気」になる。
冗談半分でやりたいとは思わない。
海外のリーグに出ていた選手とか、そんな人とだったらやり合っても良い。
それはそれで楽しそうだ。
ただ、今は試合感が薄くなっているから…身体は上手く反応してくれないかもしれない、と考えている。

自分は何でも出来るって、大人になったら思えなくなった。

「子供だったあの時も、出来てなかったし」

俺はポツリ呟くと同時に、胸が少しズキリと痛んだ。
その痛みはお腹が空いているからだと言い聞かせて、弁当の入った袋を取りに行く。
ソファでテレビを見ながら食べる為だ。
行儀は悪いけれど、食事を取る場所で取りたい気分じゃない。

その時、机の近く紙袋が目に入った。
別れる際にマネージャーから渡された、部屋に届いていた郵便物の山だ。
部屋を長期空ける時は溢れてしまう可能性があるからと、事務所の事務方の若い子が態々郵便物を回収してくれる。

ま、それは体の良い理由。
多分俺の周囲に、事務所の思う「変な虫」が居ないかの確認なのだろう。
最近は、事務所が把握していない人間関係や恋愛関係がばれて仕事が減った所属タレントもいた。
だから余計に自己申告だけでは満足行かないのだろう。
特に、数日前に来た企画を成功させたいと思っている事務所は俺の身辺についてはかなり神経質になっている筈だ。

「そんな虫、いないっスよ」

俺は郵便物を確認しながら吐き捨てる。

作る暇はない。
スケジュールは結構びっしり埋まっている。
空いた時間は兎に角ゆっくり休みたいし、のんびり過ごしたい。

作る気も…ない。
出来るとは、俺自身思えなかった。

忘れられない人がいる。
皆に馬鹿にされると分かっていても、俺にとっては、臭い言葉で言えば青春の一ページで。
本当はそのページの先を描きたかった。
頭の片隅にある記憶が、ちりりとまた強く焼き付いて、目を閉じても瞼の裏に映像を見せる。

頭を左右に振ってその映像を飛ばす。
その映像は、俺から睡眠を奪っていくと言う事を自覚しているからだ。
明日は午後から撮影だった。
早く休んで体調を整えないといけない。

郵便物を仕分けていた時、目に飛び込んでくる、懐かしい見た事のある名前。
---＊常高校バスケットボール部OB会 イベント連絡係・森＊＊孝

「先輩」

俺はその封を慌てながら乱雑に切った。
同封されていたのはA4の紙が2枚、出欠確認を送付する返信用の封筒。
A4の紙の内容は、毎年あるOB会に関するものだった。
1枚目は堅苦しい挨拶、2枚目はどうやらイベントの内容と出欠の返信欄がある。

「今年から先輩が連絡係になったんスか」

読みながらつい苦笑してしまう。
あの人だったらこう言うみんなでワイワイ騒ぐ事好きそうだし、面倒見もよさそうだ。
柔軟に対応するだろうから、衝突も少ないだろう、適材適所だと思った。

2枚目の紙に最後まで目を落とすとそこには直筆でこう書かれていた。

※ ＊瀬へ。忙しいと思うが、今年位は出ろよ？今年は俺が連絡係になって最初の年なんだ。ちったー先輩の顔を立てろ。
　締め切りまでに返信できない時は、前教えた電話番号に直接連絡くれ。あ、勿論、この会の返信じゃなくても良いぞ。
　 お前のセッティングした合コンの連絡でもOKだ！

「先輩らしいや」

ははっ、と笑いが口から洩れた。
自分好みの可愛い子を見つけた時のドヤ顔が浮かぶ。
卒業してかなり経過してるのに文章を見ても森山先輩は変わっていない、と思った。
それが何かちょっと嬉しかった。

過去を思い出すのは、あの映像とダブる事もあるから苦手になってきているのだが。
こう言う楽しいものは、溜まりに溜まった疲労感を吹き飛ばしてくれる。

締め切りにはまだ時間はあるけれど、何となく声を聞いて「変わっていない」と言う事を確認したい気分になった。
「本当にこの電話が使えるのかどうかの確認」って言えば、向こうも嫌な顔はしないだろう。
取りあえず、同じ電話会社なので電話番号で送信できるメールを送る。
仕事中だったら不味いと思ったので、その処置だ。

----＊山先輩、お久しぶりです。OB会の連絡ありがとうございました。この電話番号であってるっスよね？今電話、大丈夫スか？

よしっ、と俺は自分で納得してソファに弁当を持って行こうとすると、行き成り携帯が鳴った。
液晶で確認すると、「海常・森山先輩」と出た。

「あ、はい」
「おぉ、久しぶり！メールありがとな」
「お久しぶりっス、今大丈夫なんスか？」
「大丈夫じゃなきゃかけねーよ」
「それもそうっスね」

背後から聞えるのは大勢の声。
注文らしき声も飛び交っているみたいだから、多分飲み屋にいるのだろう。
早めに終わらせないといけないと思った。

「OB会の届いたのか？」
「はい、チェック遅れてすんません」
「気にすんな。最近はテレビの仕事も増えてんだろ？忙しい事はいいことだよ。後輩が有名になって俺も鼻が高い」
「モデルさんは紹介しないっスよ」
「お前行き成りそれか！アイドルでもいいぞ！」
「だーかーらー、駄目ですって」
「何だよーケチだなぁお前ー」
「最近、そう言うのに厳しいんスよ、うちの事務所。先輩位芸能界の情報を週刊誌とかで見れば分かるでしょ？」
「そう言えば、お前の事務所の、あの足の長いモデルの熱愛発覚したな、吃驚したわー」

案の定、知っていた。
先輩は、今でも俺の活動を自主的に雑誌やテレビをチェックしてる。
それは俺の事が好き、ではなくこう言う風に「華やかな世界」が好きなんだと思う。

「お陰で一々オフの日は何をしてるだ何だ言わなきゃいけなくなったんスから」
「そうかぁ、面倒だなぁ。結婚もしてないのに鬼嫁に見張られているみたいだな」

電話の向こうから背後の声と重なった先輩の笑い声が聞こえる。
楽しそうだ。
大学時代、自分もこんな感じな場所に部活の帰りや授業の帰りに寄ったっけなぁ…と思い出す。

「で、今回はどうだ？」

先輩が本題に入ってきた。

「今年は俺が連絡係になって一年目なんだよ。ちったー俺の顔も立ててくれ」
「そうっすねぇ～」

ちょっと意地悪な声を出して森山先輩を慌てさせる。

「いやさ、お前がテレビに出るようになったらOBの上の人達がさ、目の色変えてさぁ。”黄瀬君は来ないのかね？”みたいな事言い出してさぁ」
「何スかそれ」
「多分、家族に言われたんじゃねーの。娘さんとか。”サインが欲しい！”とか」
「家族サービスの出汁に使われるのまっぴらスよ」
「こっちもなるべくお前が大変にならないように気を配るからさ」
「うーんそうっスねぇ」

俺は考える振りをする。
先輩にはお世話になったし、スケジュールも丁度空いている。
企画が通ったら、海外と日本を行ったり来たりしなければいけない。
多分こう言う風にOB会何てものに出席出来る率は減るだろう。
だったら、出来る内にやっておいた方が良い。

テレビの企画は、朝の情報番組の10分位のミニコーナーで、色々な国の文化に触れる、と言ったものだ。
今までは女性が担当していたが、今回からは男版も作るらしい。
事務所がオーディションに応募し、一週間前に最終選考まで名前が残っていると言う事を告げられた。
一昨日その面接があった。
海外の文化は結構興味がある。
ファッションとか、後は…スポーツ。
日本よりも力を入れてるだろうスポーツには一寸興味がある、身体を動かすのは今でも好きだから。
勿論オフレコなので、こんな事を森山先輩には言わない。

「お前が忙しいのは重々分かってる！」

必死に頭を下げている姿が見えた。
これ以上は可哀相過ぎると思い俺は返事をする。

「いいっスよ」

肯定的な回答を聞いて、表情が明るくなったのが見えた。

「マジか！ホントだな！撤回しないな！嘘つくなよ！」
「マジだし、ホントだし、撤回しないし、嘘もつかないっスよ。その日は丁度オフです」

俺のその言葉を聞いてますます森山先輩のテンションが上がる。
こちらもなんだか楽しくなってきた。

「よーし！ありがとな！今度奢る！」
「はいはいありがとうございますー」
「あ、一応返信用紙は郵送してくれ。当日の出席簿作るのは別の人だから」
「了解っス」

明るい声を聞くと、気持も明るくなるのは何故だろう。
とても不思議だと思う。

「よし！この事、早めに皆に連絡しないとな！」

上がりっぱなしの高いテンションで先輩が言う。
誰にだろうと思い質問した。

「誰にって。お前が居た時のチームのメンバーにだよ」

メンバーに。
その言葉が胸を強く打ちつけた。
心臓が痛くなる。
耳の奥に先輩の声が響いているが、内容までは聞えて来なかった。

何時の間にか電話は切れて、プープープー、という電子音が響いている。

「メンバー…に」

その中には…確実にあの人がいる。
思えばそうだ。
OB会に出ると言う事は、あの人と逢う確率が格段に上がると言う事だ。
迂闊と言えば迂闊だ。

身体全部をソファに投げだす。
力が、入らない。

携帯の電話帳を開く。
そこには、消したくても消せないあの人の名前があった。
何度も消そうとした、でも出来なかった。
連絡をしないならば出来ないならば持っていても仕方がない。
言い聞かせて削除迄至るが、確認のメッセージウィンドウで、「はい」が選べなかった。

「…ホント、女々しいっスね、俺…」

映像が又浮かんでくる。
今夜は多分、消えてくれない気がする。
明日の仕事がどうなるかなんて分からない。
メイクさんに肌が荒れたと怒られればいい。

直接会う前に、あの人の姿、声に慣れておかなければいけない。
苦しくても、今だけだ…そう自身に言い聞かせる。

「早く明日になぁれ」

例えその日に近づくとしても、独りきりの夜にあの人の姿が見える事が一番辛い。
月は何時も心を乱す。
太陽の光で、映像も、俺自身も焼きつくして欲しい…。

そう思いながら、俺は明日からのスケジュールを力なく復唱して、今度あるドラマでの台詞を呟き続けた。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-19T14:15:03+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry8.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry8.html</link>
		
				
		<title>elegy について</title>

		<description>あっちの方で展開しているelegyシリーズは…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ あっちの方で展開しているelegyシリーズは、こちらに掲載している「talk in whispers」を土台にしている話です。
もう本当に「キャラの設定だけ」を使っている感じです。
（余り良い方向ではない…かもしれない、と反省中。）

一寸面白いなと思っているのは回を重ねるごとにブックマークがなくなっているという現実…ですね。
続きものには興味がない、は良く分かりました。
本にする時の参考にします。
てか、やっぱり想定している部数は多い気がしてきたぞ、おい、と思っていたりします。
ぱっと見ても10人読んでるか読んでないかレベル。
考えると言いたいところですが、もう一寸無理なので、最初に決めた部数で。


さて、この話でのざっくりした年齢設定とか。

＊瀬：28。ずっと同じモデル事務所に所属しているけれど、一寸事務所を変わろうかな？って考えてる最中。
　　　　モデルだけじゃなくて一寸俳優もやってみようかとWSに参加し出した。バスケは殆どやってない。

＊松：30。中堅製造のメーカーの若手プロジェクトリーダー。上司、部下からの信頼も厚い。
　　　　バスケは続けているが、日本でのリーグには参加していない。

＊山：30。大手化粧品会社の営業マン。営業成績は良いらしい。
　　　　バスケは＊堀が作った社会人バスケ部に参加中。

＊堀：30。中小の印刷会社の営業マン。一時き日本でのリーグに参加していた。
　　　　バスケは自社のバスケ好きのメンバーと社会人バスケ部を作った。

＊川：29。公立の学校の体育教師。バスケ部顧問。
　　　　ら行が言えるようになる為に、話し方教室に通い始めてる。

既存キャラはこんな設定です。
この話は、話の流れの関係上、オリジナルを出したりしています。

マネージャー：＊瀬担当のマネージャー。頭が固い。
社長：＊瀬の所属する事務所の社長。意外とがめつい。
お姉さん：所謂オネェ系。メイクの腕は確かで、何人かのメイクアップアーティストで集まって会社を立ち上げている。
　　　　　　芸能界に顔も広く＊瀬の良き相談相手。
OB連中（高齢）：＊山が頭を痛める存在。

尚、お姉さんのイメージは＊ッ＊ーさんじゃなくて、ネ＊＊ンです。

元々の話は、「報われない恋」を「諦める」で締める事を目的とした話だったのですが、一寸アンケート機能を遣ったら
「箍を外す」方にやたらと表が入ったので少し方向を変えて話を進めることにしました。
BADEDを目的として書いているので、「それが幸せかどうか分からない」って感じになれば、と。

この話での箍を外した後の追いつめ方として、とある作品のある台詞がキーになっていたりします。
その作品のファンとかにぶっ飛ばされそうな気もしますが、あの言葉を聞いた時に、頭を殴られたような感覚だったのが原因です。
（そんなものをキーとして使う理由は。）

＊松の視点もありますが、こちらはもう完全にある種「病んでる」感じです。
真面目な人が思い詰めるとこうなるなぁ…とか勝手な想像中です。
あっちには書いていませんが、これは実は本にするつもりです。
エピソードかなり削らないと不味いですね。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-19T13:56:52+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry7.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry7.html</link>
		
				
		<title>talk in whispers 02</title>

		<description>外に出ると、吐く息は白かった。
陽が落…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 外に出ると、吐く息は白かった。
陽が落ちるのは本当に早い。
橙色の空にはあっという間に、夜の帳が下りる。

外気がコートの隙間から入ってきて、体が少しぶるっ、と震えた。
急ぎ足で帰路に着く。
駅まで少しある。
見上げた空には星達が雲から少し遠慮がちにチラチラ見える。
周囲も随分と足早に街を通り過ぎていく。

ポケットに入れていた携帯が振動した。
確認すると、今週あるバスケ部のOB会についての森山からの連絡だった。
高校、大学時代のバスケ部の人間とは、結構連絡を取り合っている。
アイツ、以外の人間の話だ。

卒業時、アイツから連絡先は受け取っていた。
だが、携帯にはアイツのアドレスは一欠けらもない。
全く連絡をしないから…かなり前に消した、…体のいいの言い訳だ。

近づくことが怖かった。
この心にあるものが、それと知った時。
口にするのをためらった。

目に見えていたその距離を、保ちたかったのかもしれない。
忘れたくて忘れたわけじゃない。
忘れなくちゃこの先、歩いていけない気がした。
アイツが俺に見せていた飾らない表情や感情を奪うかもしれない、そう思った。

俺の中の仮定は、一日一日と積もり積もって、心に鍵を掛けていった。
見ている世界が違うのだと言い聞かせる。
その暗示は、丁寧に慎重に掛けられていって、「俺の気の迷い」で片付けられるようになった。

アイツはそのままであって欲しい。
遠い遠い空に瞬く宝石のような、存在。
時々目に飛び込んでくる雑誌やテレビでのアイツは、眩しい。
あの時と変わらない、耀きだ。

ふと、冷たさを感じる。
頬に当たったものが、水になる。
雪だ、と気が付いた。
通りで、芯まで冷えるわけだ。

アイツも、この空を見上げているんだろうか。
どこまでも続く空は、無慈悲に俺とアイツをつなぎとめている。
それが、無性に嬉しく又悲しく思えた。
どこまでも嘘が降り続け、足がその場から動かせない。
アイツへの思いが「本当だった」事を、俺に夢の中で何度も何度も自覚させる。

(この雪でアイツの名前が俺の中から綺麗に消えれば、俺は…)

俺は、その知らない人間へあの時芽生えて閉じ込めた気持ちを告げられたのかもしれない。

静かに落ちる白の量が増えてきた。
この雪で、ゆっくり開いてしまった気持ちの箱はもっと深く深く埋まって欲しいと願った。
先ほどのメールの追伸がそう強く思わせている。

---今度は＊＊の参加も取り付けてる。

ぐっと握りこぶしを作る。
冷え切った指が手のひらにぎりぎりと食い込んでいく。
痛みが少しずつ広がっていく。

(この痛みが早く体に回れ、頭に回れ)

今も、そして未来の時間も何事も無かったように過ぎて欲しい。
あの日も、今も。
決して告げられない想いの処理に、俺はその場限りの対応しか出来ていなかった。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-09-11T11:39:45+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry6.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry6.html</link>
		
				
		<title>シリーズの流れ（１）</title>

		<description>一寸した書いているうえでの作者的な補足…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 一寸した書いているうえでの作者的な補足と言うか、「蛇足」を。
あくまで二次創作なので、「原作と違う」と言う話はなしでお願いします。

pixivでUPしている（8/末まで）、on the one's wayから始まる黄笠のシリーズですがスタート地点は、"on the one's way"、帰結点は"in the deep sea"内の"the depth of water side 02"となります。

話の流れ的に、on the one's way⇒Reproduction/We're looking at the same moon ⇒Beginning of ... ⇒The backside of the moon⇒an abyss⇒the depth of water⇒giddy⇒the depth of water side 02、と言う形になります。

この話でMOON、という単語を使っている理由は、＊瀬の髪の色です。
書き手は結構単純なのが好きです。
火黒の場合は、STARS、を利用しています。
＊子がパスの中継役ということで「星座」だと分かるための線、から。

"phenomenon"は＊瀬と＊子の（書き手が書いている話の中での）過去の話、となります。
(サーチで黄黒がついている理由は、こう言うことがあるからです。)
この話だけかなり”異質”です。
異質な理由は、この話をバックに火黒話が展開して行くからです。
ですが…これを知っていても知っていなくても問題はないです。

"steady life"に関しても実は一寸だけ異質の立ち位置に有ります。
本編に関係ない訳ではないですが、＊瀬もそれなりに苦悩してましたよ…と言う書き手からの助け舟。
そして、この話の中での最大のひっ掻きまわし役を担う事になった木吉先輩を登場させるための話でもあるからです。
後伊月先輩が書きたかったのです…好きなんです、残念イケメン。

"Beginning of ... "に関しては、...＝loveです。単純でした。
これも火黒話を本格的に進める前の準備運動的な立ち位置であるものです。
（黄笠の最後の話に有る「公園での風景」に近いのは、ここでの黄瀬の告白…と言う風に有る程度対になる様に書いています。）
でも、これも知らなくても問題ない話です。

基本「蛇足」扱いをしている理由は「知らなくても問題ない」若しくは「知っていてもふーんレベル」だからです。

本じゃなくて、こう言う風に単発的にUPされて行く、勝手な妄想文章は私の価値観からすると
「作者が勝手に作った設定の細部を知っていない状態でも問題ない状態で書いた方が良い」
と言うのがあります。
知っていると「何だそんな事ね」と言った一寸したおまけレベルです。
全部読んで、何となく通り過ぎた言葉が実は結構重いものだった…何て事は日常生活でもある
訳で、知っていれば「あぁそうか」と後で納得する…と。
だから「知っていても知っていなくても問題ない」と言う処理…と言う事です。

以下、更に下らない蛇足です。
※何で「海」？
　⇒悩んで悩んで、色々分からなくなっていくのが「沈んでいく」ような雰囲気があってるな
　　　と思ったから「海」をイメージして…そんな単純な話。

※センパイじゃなくて、先輩？
　⇒表記については…悩みました。確かにセンパイって言ってくれた方がいい気はしたのですが。
　　　個人的な趣味で「先輩」という表記にしました。…二次創作です、ご了承ください。

※何で先輩は＊子と＊瀬の公園での姿を見て息が苦しくなったの？
　⇒単純に「嫉妬」しただけです。それが嫉妬だと気が付かないので悩む結果になっただけです。

※何で最後の締めで「道」って書いてるの？
　⇒on the one's way が「道の途中」という意訳からです。人生って書くと重いかな、と。

※え？＊子恋心はなかったの？
　⇒ないです。ただの黄＊の「甘え」です。…そう仕向けた人間は話上に書きましたが。原作でも
　　ラスボス臭が凄いですしね。

※で、結局先輩は告白するの？
　⇒その部分は一寸内緒で。ただ「前途多難ですよ」とは最後でほのめかしてはいます。

※そもそも何で英文/英単語のタイトルばっかりなの？
　⇒二次創作をする時はそうしよう、と自分の中でルールを作っているからです。
　　タイトルの意味も含めて、一応物語扱いです。
　　但し、書き手は英語が超苦手です。喋られたりしても一切答えられないのでご注意ください。

※何でシリーズものをこっちのサイトに上げないの？
　⇒本当は上げようと思っていたのですが、二次創作に対して免疫のない一般の方の目に
　　触れる事が多い気がしたので。
　　会員制+そう言うシーンがなくてもR-18タブを付ける事により、「読める人」を選ぶという
　　処置を取りました。
　　ネット上でこう言う文章をUPする以上、自分も含め理解がある方々と分からない/一寸
　　嫌だな、と思う方々の間を考えると、こう言う「防衛策」的な措置は必要だと思いました。
　　こちらのNOVELでは、裏側ではそう言うのはありますけど、深読みしないと分からない
　　レベルのものしか上げないようにをモットーにしました。
　　後、どちらかと言うと、「不幸な話」を多めにUPすると思います…書き手はこっちの方が
　　好きなので。pixivとこちらで作品掲載の棲み分けが出来ればいいかな、と。

※コピ本は店頭委託しないの？
　⇒基本コピ本は委託出来ません。（オンデマンド印刷ならばできるでしょうが。）
　　お祭りで手に入れたおまけ、みたいな感じでお願いします。
　　
※本を作らないの？
　⇒本は作らないつもりだったけれど、創ろうかなぁと悩み中…です。最初で最後で、
　　創るのも良いかも。（本を作る＝印刷所を通して本を作る、と言う意味です。） ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-08-09T13:08:41+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry5.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry5.html</link>
		
				
		<title>on the one&#039;s way</title>

		<description>※ C82で頒布する作品の見本（文章の前半）…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ ※ C82で頒布する作品の見本（文章の前半） ・笠松先輩視点 ※

不思議な言葉を聞いた。
そんな事を言うなんて思わなかったから、不思議だと思ったのかもしれない。

「黄瀬のやつ、変わったな」

練習終了後の片付けの際、隣に来た森山が俺に声をかけてきた。

「ん？」
「いや、雰囲気が…さ」
「ん？」
「…いや、上手くいえないんだけどさ、ただのお調子者じゃないって言うか」
「…そうだな…」

俺は長身の色男に視線を移す。
そこには監督から叱咤されている黄瀬涼太の姿があった。
今日の練習での集中力のなさを指摘されているようだ。

「監督、あれだけキセキの世代が云々って言ってたくせに」
「あぁ、ゲンキンだな」

森山の呆れ声に俺は苦笑しながら返事した。

少し前に、俺たち海常高校は、新設校である誠凛高校に負けた。
練習試合だった…と言う事は言い訳にはならない。
負けは負けだ。
学校、そしてバスケ部が創設されて二年目何て、冗談じゃないレベルの話だ。
インターハイ、ウインターカップと言った全国レベルの大会出場常連校であるウチが新参者に負けたのだ。
しかも、普通に負けたわけじゃない。
全中三連覇と言う偉業をなしたキセキの世代のメンバーの一人、黄瀬涼太を獲得し戦力が上がっている状態で負けた。
どんな強者であろうと負けることはあると俺は思っている。
だから、別段負けても…悔しいがそれはそれでそう言う「時」なのだろう、と。
どんなに努力しても報われないことがあるのは、勝ち負けがある世界では当たり前の事だ。

監督の声が大きくなる。
多分、黄瀬が余計な事を言ったんだろう。
あいつは何か一つ言葉が多い。
悪気があって言っているわけじゃないのは分かる。
計算し尽くして言っているような気がする時も…ある。
だが大抵は思ったことを口にしているだけ、と言う事もあるから中々読み取るのが難しい。

(あいつの本音は、どこにあるんだ？)

俺は何時も悩んでいる。

「ホント。あれじゃ黄瀬も可愛そうだわ」

森山は呆れ声から少し笑った表情で、その場を楽しんでいるように見えた。

「お、後輩思いだな」
「からかうなよ」
「わりぃな。…でも…変わったな。多分、いい方向にだ」

もう一度、俺は黄瀬の横顔を見る。

（続きは頒布される本でご確認ください。） ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-08-08T16:48:15+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>
	<item rdf:about="https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry4.html">
		<link>https://kuronote.web.wox.cc/novel/entry4.html</link>
		
				
		<title>このページについて</title>

		<description>過去のBLOGでの文章や、会員制サイトpixiv…</description>
		<content:encoded>
			<![CDATA[ 過去のBLOGでの文章や、会員制サイトpixivにUPしていた文章をカテゴリ別に分けて表示しました。
尚、pixivで掲載している作品は確実に「腐ってる方向」での話なので”表現上言われないと分からないかも”な文章のみこちらにUPします。
（一般の方が見て下さっているという配慮も含めた処置です。ご了承ください。）

＊金色のコルダ/うたプリの二次創作に関しては、会員でなくとも読めるnovelist様のサイトにUPしています。そちらでご確認ください。 ]]>
		</content:encoded>
		<dc:subject>-</dc:subject>
		
		<dc:date>2012-08-08T16:33:46+09:00</dc:date>
		<dc:creator></dc:creator>
		<dc:publisher>WOX</dc:publisher>
	</item>

</rdf:RDF>